お許しを得て、閉鎖中の「ジュンク堂書店日記」さんから孫引き。
柳田國男の『炭焼日記』にズショカンの関係者が何人か登場する。
1 中田邦造日比谷図書館長
昭和20年
7月15日 中田邦造君来、文庫疎開の話をして行く。信州高遠がよからうといふ話などをする。加賀豊三郎氏の文庫も引受けた話など、又多くの書庫の焼けたことなど。
7月20日 中田邦造君へ手紙、番地をきく也。
7月24日 夕中田邦造君来、本を疎開する打合、沖縄関係のものを預けることにする*1。
7月26日 日比谷図書館々員、生徒隊をひきゐて本をとりに来る。沖縄に関係するもの一切、西洋四国の民俗学会誌、民間伝承の会出版物若干、考古学雑誌一揃ひなどわたす。別れの心細いことは本も人も同じ。
8月19日 中田邦造君来、先日の本は四千何百円に買ふといふ。都の役人の一向働かぬといふ話をする。図書館協会の是からの活躍の話など。
9月13日 夜中田邦造氏来。先日の本の金四千七百円持つて来てくれる。
11月4日 中田邦造君来、成城に書庫をつくるといふことその他。
*昔も今も役人は働かずというべきか。
2 萩山四郎京城図書館長(正しくは荻山秀雄朝鮮総督府図書館長)
*「萩山四郎」は、「書物蔵」氏によると、正しくは「荻山秀雄」。柳田の聞き違いか、誤刻か、誤植か。
3 大藤時彦
昭和20年
5月25日 大藤君来、明後日図書館協会の人々に、民俗学文献の話をするよし。
12月28日 大藤時彦氏来、家族を因幡からつれてかへつたといふ。国際文化振興会は当分休止、今進駐軍の図書係を助けてゐるといふ。
*民俗学者大藤時彦(おおとうときひこ)は、元大橋図書館司書なのでついでに挙げた。進駐軍の図書係というのは、この年の11月にGHQのCIE図書館が開館したようだからその関係か?
(参考)大藤の経歴は、2007年8月29日参照。
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講談社創業100年記念「書き下ろし100冊」は当初ラインナップ135人。不測の事態に備えて多めの人数にしてあったようだが、黒岩さんの『パンとペン』も新たにこの100冊に仲間入りしている。ということは、猫猫先生も潜り込む余地がまだあるか。
小谷野敦『現代文学論争』(筑摩選書)出ましたね。久しぶりに、猫猫本が新聞の書評に登場する予感・・・
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*1:2008年7月18日参照。