神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

日米図書館懇話会と中田邦造

タイトルからは想像できないが、金沢文圃閣の『戦後初期の出版社と文化人一覧第1巻』で、戦後初期の文化団体が判明する。同書で復刻された『戦後文化人名簿第三輯』(文化研究会、昭和21年6月)がそれだが、その中に日米図書館懇話会が出てくる。

日米図書館懇話会 麹町区日比谷 日比谷図書館長 中田邦造気付
一.目的
 近時米軍によつて各所に図書ライブラリーの如く一般に知られてゐるものがあるのに鑑み、日米図書館関係者が参集し交歓並に図書館運営に関して連絡懇談を重ねるを目的としてゐる
二.活動
 五月四日設立 毎月二回会合を開く
三.スタッフ
 中田邦造日比谷図書館長)
 小林文部省文化課長
 桑原同事務官
 バーネット中尉(CIEライブラリー館長) 

バーネットは9月まで東京CIE図書館長を務め、帰国。22年10月に第2代図書館担当官として再来日*1。「秋岡日誌」(『秋岡梧郎著作集』)には、

(昭和二十一年)五月四日(土)
 ○加藤係長 本日ヨリ出勤
       1、職員養成ノ件ニツキ打合
       2、六日午後ノ日米図*2関係者懇談会ノ件 連絡
        六月二十九日(土)
 午後二時ヨリ日米関係者懇談会 (事務所デ)     

とある。この懇話会(懇談会?)はいつまで続いたのであろうか。

なお、同名簿には、「福島読書倶楽部/福島市置賜町二七」という団体も出てくるが、これ以上の記載はなく、詳細は不明。「wackunnpapa」氏の出番か?

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戸部良一『外務省革新派』(中公新書)の人名索引を見てたら、市河彦太郎が出てただす。
外務省革新派 (中公新書)

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東京国立近代美術館フィルムセンター で、6月29日(火)〜9月9日(木)「アニメーションの先駆者 大藤信郎」展。

*1:三浦 太郎「占領下日本におけるCIE第2代図書館担当官バーネットの活動」『東京大学大学院教育学研究科紀要』45号(2005年)。

*2:原文は、□(くにがまえ)に「ト」。