神保町系オタオタ日記

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京都新聞の「京都古書の森案内」に紫陽書院が登場ーー店主鎌倉麻里さんが駆け出しの頃におかした大失敗とはーー

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 11月10日京都新聞の連載「京都古書の森案内」第15回(万代憲司記者)に紫陽書院が登場
。鎌倉麻里さんが、平成5年左京区茶山に開業*1。その後、夫が大阪で開いていた古書店*2が立ち退きとなったため、蔵書と屋号を引き継いで平成7年から紫陽書院として営業しているという。「コンディションのよい本を買ってほしいので、手入れにはこだわっています」とのことで、本は透明カバーに包まれ、屋外の古本まつりに出品した後には、カバーを替えるし、木箱の中も掃除する徹底ぶり。特に女性ファンが多いわけである*3。雨に降られた青空古本まつりの後に、次の古本市へ底に水が溜まった段ボール箱をそのまま出品する某古本屋とはエライ違いである。
 記事にはないが、今や京都の古書界で中堅といってよい紫陽書院も駆け出しの頃、実は大失敗を経験している。『京古本や往来』87号(京都古書研究会、平成12年2月)の「古本屋商売ーー初めての記憶ーー」によると、

(略)あの無知だった頃の(今も)私をうまく丸め込んで、店の入口に積み上げてあった御宝(後でわかった)ひと山を眩暈がする位の安さで買ってった兄ちゃん三人組、あれ、返してくれ~。(略)

 紫陽書院が「返してくれ~」と嘆く御宝。私が記者だったら、聞き出すところだが残念。記事には、古本屋の失敗談も盛り込んでほしいところである。
 

*1:全国古本屋地図‘96改訂新版』によると、「ゆうき書房」

*2:全国古本屋地図‘92~‘93改訂新版』によると、大阪市大正区三軒家西にあった。

*3:その一方で、入手困難な『日本古書通信』創刊号からの揃いや戦前のレアな古書目録を出品したりするので、黒っぽい本が好きな古本者からも注目される。