藤堂祐範編『第二回昔の和紙展観目録』(和紙研究会、昭和15年4月)。編纂兼発行者の藤堂の住所は、京都市東山区林下町信重院内。twitterによると1月大阪古書会館で拾ったようだ。多分シルヴァン書房出品で500円位だったか。表紙にはタイトルのほか、「昭和十五年四月十三日龍谷大學圖書館にて」「主催和紙研究会」とある。10頁の小冊子。和紙研究会の同人として、新村出、藤堂祐範、禿氏祐蘒、中村直勝、上村六郎、大澤忍、壽岳文章の7名が挙がっている。「西本願寺大谷家に傅はれる繪奉書千代紙類に就て」によれば、14年4月古い和紙百余種を展観したところ予期以上の成功を見た。同年秋大谷家に伝わる華麗な種々の紙を一覧させていただき、展観の許可を得たので今回の展観を行うこととなったという。目録には大谷家所蔵の49点の和紙のほか、参考品14点があげられている。特に越前五箇村産出の物が多いという。
和紙そのものには余り関心はないが、趣味人や同人誌には関心があるので、この和紙研究会も調べてみたいものである。ちょうど15日(土)14時から長岡京市立中央公民館でNPO法人向日庵公開研究発表会として、
「昭和初期の向日町と文化人」玉城玲子(向日市文化資料館館長)
「『和紙研究』解読」田村正(京都工芸繊維大学非常勤講師)
が開催されるようだ。予約不要、参加費資料代1,000円(正会員・友の会会員は無料)。ただ、私は人文研の「1968年と宗教ーー全共闘以後の「革命」のゆくえ」を聞きに行きたいので残念(´・_・`)
なお、チラシによれば、昭和11年秋京大楽友会館で開催された「紙に関する座談会」を機に和紙研究会発足。当初の同人は上記のうち中村でなく牧野信之介となっているほかは同じである。また、『和紙研究』を昭和14年に創刊している。