神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

昭和2年復刊が予定されていた田中緑紅の『郷土趣味』(郷土趣味社)

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 久し振りに寸葉会をのぞいてきた。何枚か良さげな絵葉書を入手。今回は、田中緑紅関係の絵葉書は入手しなかった。しかし、この際未紹介の緑紅の絵葉書を公開しておこう。昭和2年の年賀状で、宝塚の村松常房宛。800円。
 文面は、『小絵馬集』や『人魚の家』と「久しく休んでいた『郷土趣味』も発行」するというものである。『小絵馬集』は、実際昭和2年7月に第1集が発行された。『人魚の家』は大正15年9月創刊なので、2号か3号だろうか。少なくとも3号(昭和2年4月)まで発行されている(追記:『人魚の家』2号は大正15年12月発行なので、3号の発行を指していたことになる)。『郷土趣味』は、大正7年1月創刊で14年4月56号で休刊となったが、再開する予定があったことになる。だが、結局復刊はされていない。「緑紅叢書の田中緑紅が遺した約70冊の日記 - 神保町系オタオタ日記」で紹介した京都新聞報道の緑紅の日記に、このあたりの経緯が書かれているだろうか。
参考:「キクオ書店で田中俊次編『思ひで』(来蘇館、昭和5年5月) - 神保町系オタオタ日記」「郷土玩具収集家としての宮脇楳僊こと宮脇賣扇庵4代目宮脇新兵衛 - 神保町系オタオタ日記」「今、田中緑紅が熱い⁉ 『信仰と迷信』創刊号(郷土趣味社、大正15年)と『ちどり』4号(ちどりや、同年) - 神保町系オタオタ日記