神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

永井荷風が見逃した分離派建築会第2回作品展(白木屋)

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 月日の経つのは早いもので、京都国立近代美術館で「分離派建築会100年:建築は芸術か?」展が開催されてから、1年以上過ぎた。久しぶりに分離派建築会作品展ネタをアップしよう。1年前に作家や芸術家の日記から作品展を観覧した記述を見つけようとしたが、結局見つからなかった。永井荷風の『断腸亭日乗』も先ず調べた1冊である。

(大正十年)
十月廿一日、百合子*1白木屋に赴き、陳列の洋画を見る。(略)

 白木屋では、10月20日~24日に分離派建築会第2回作品展が開かれていた。しかし、「洋画を見る」ということなので、残念ながら分離派建築会作品展ではなさそうだ。荷風は分離派建築会の方は見逃したのだろう。こちらの展覧会がどういう展覧会かは分からなかった。
 分離派建築会作品展に関する拙ブログのエントリーをまとめておこう。

・「大正期における展覧会場としての星製薬ーー分離派建築会第3回作品展も星製薬だったーー - 神保町系オタオタ日記
・「昭和3年9月、野上弥生子は分離派建築会第7回作品展を見たか? - 神保町系オタオタ日記
・「百合子は起つ。分離派建築会作品展と宮本百合子 - 神保町系オタオタ日記
・「分離派建築会と板垣鷹穂・堀口捨己編『建築様式論叢』の六文館主鹿島鳴秋(本名・鹿島佐太郞) - 神保町系オタオタ日記
・「大正教養主義のシンボル『三太郎の日記』の阿部次郎に届いた第1回分離派建築会作品展の案内葉書 - 神保町系オタオタ日記
・「分離派建築会の山田守と木下杢太郎の「橋の会」ーー図録『分離派建築会100年』の全国カタログ展経済産業大臣賞受賞を祝してーー - 神保町系オタオタ日記
・「工繊大の研究者の皆様、『マヴォ』同人牧寿雄の消息を調べて<(_ _)>ーー牧寿雄は分離派建築会作品展を観たかーー - 神保町系オタオタ日記

 なお、展覧会開催状況の調べ方については、国会図書館の「展覧会図録・カタログ(展観目録)を探す | 調べ方案内 | 国立国会図書館」参照

*1:田村百合子。後に伊藤熹朔夫人。