神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

今なお古書価沸騰中!桑田欣児の霊術本

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先日街角で本ノ猪君とすれ違って、そう言えば四条河原町の京都マルイ前で古本市をやっていたなあと思い出し、のぞいてみた。そうすると、桑田欣児『家庭読本』(真生会本部、昭和12年12月)を発見。東京くりから堂出品、52頁の小冊子で300円。発行所の真生会本部は、現在の北海道芽室町に所在した。
桑田というと4年前書物蔵氏に連れて行ってもらった中野ブロードウェイまんだらけにあった桑田本の買取強化中のチラシが記憶に残る。チラシを掘り出して見ると、『霊能開発法一名寂玄術』(二松堂書店)が15万円、『修養法』(真生会本部)が10万円など、桑田の霊術本の買取価格がいい値段になっている。この値段に利潤を上乗せしても売れる当てがあったのだろう。一過性の現象だろうなあと思っていたが、今まんだらけのサイトを見ると、今年3月現在で前者が18万円、後者が20万円。値上がりしてるではないか。文学者の初版本の値下がりが著しい昨今の古本事情の下でも、霊術本は値上がりしてるのか(◎-◎;)
霊界廓清同志会編『霊術と霊術家:破邪顕正』(二松堂書店、昭和3年6月)によると、桑田は大正10年清水英範の東京心理協会の十勝支部長として霊術をスタート。その後帝国心霊研究会長として独立。同書ではボロクソに書かれていて、解説の末尾に「運命は馬鹿に宜い。こんなに罵られても、万難に打ち勝つ幸運児となる。悪人栄えて善人が亡び石が流れて木の葉が沈むかネ」とある。確かに古本の世界でも桑田は「幸運児」となったようだ。
ところで、私が買った『家庭読本』は「この小著は『真生の道』の下書の出来ただけを印刷に附したもの」とあり、国会図書館にある『真生の道』(真生会、昭和15年12月)の一部であった。内容は、良縁成立法や夫婦和合法の話で、霊術とは無関係であった。残念(´・_・`)