さて瀧川政次郎だが、若い頃から谷崎潤一郎のファンだったようだ。
林達夫の大正12年8月1日付け谷川徹三宛書簡*1によると、
先日瀧川政次郎が来て、自分は専門上古事記を読んでゐるが、近藤栄一の小説は実に下らぬ、それにひきかへ潤一郎の歴史小説は、実に敬服に値する、と云つて行きました。何でも「中村文書」とか云ふ稀覯書を読んでゐなくては書けないやうなことを書いてゐたので、すつかり感心したのださうです。
瀧川は前年3月に東京帝国大学法学部独法科を卒業。その後、満洲国立中央図書館籌備処長とか建国大学教授になっているから、もっと調べてみたい人物だね。
ところで、「中村文書」とやらは何のことだろう?
追記:昨日の村岡伊平治については、その実在を証明した文献があった。