神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

島田筑波と春峰庵事件の金子孚水による『孚水ぶんこ』ーー若井兼三郎の蔵書印「わか井をやぢ」についてーー

東京古書組合の紙袋に入れたままの雑誌が数冊出てきた。最後に東京古書会館に行ったのは、カラサキ・アユミさんと書物蔵さんのトーク・イベントが開催された平成30年8月だっただろうか。その時に入手したのかもしれない。雑誌のうち、『新東京』4号(劇団新東…

オタどんの一箱古本市に出さなかった百田宗治の第一歌集『愛の鳥』ーーカットは宇崎純一だった!ーー

昨年刊行された南陀楼綾繁『古本マニア採集帖』(皓星社)の関連イベントとして、京都の古書善行堂で一箱古本市が開催されて、私も参加した。送料を惜しんでエッチラオッチラとリュックで運んだので、出品点数は少ないものだった。それでも2回追加したので、あ…

新京極誕生150周年の2022年ーー蔵書印さんから貰った新京極の絵葉書に「クラブ洗粉」の看板ーー

今年は、新京極通ができて150周年だという。それで、新京極の絵葉書を持っているのを思い出した。冒頭に挙げた写真で、蔵書印さんから5年前に頂いたものである。ありがとうございました。手前のカメラ目線の子どもと左手の「文庫」という看板のある「吉川商店」…

昭和6年第3回浪華宝船会案内ーー風俗研究会(江馬務)の藤村芝山旧蔵を玉城文庫からゲットーー

大阪市立図書館は蔵書が充実している上、大阪とは縁もゆかりもない京都府民のわしにも貸し出してくれるので、よく利用している。ここには橋爪節也「新大阪KEYわーど 大阪を知るための100の言葉とモノの世界」を連載中の『いちょう並木』(大阪市教育委員会)が置…

「趣味の旅行」が盛んになった昭和初期における東海道自動車旅行ーー近江商人藤井彦四郎の妻藤井屋壽子の饅頭本から見るーー

饅頭本(追悼本)にも当たり外れがあって、実業家のものは外れが多い。ましてや、実業家の家族の追悼本となると私が買うことはまずないだろう。今回紹介する『藤井屋壽子』(藤井健次郎、昭和16年10月)は、迷ったが同志社の女性教員だったデントンが寄稿し、編…

三条河原町にあったカフェーカナリヤとマヴォイスト渋谷修ーー斎藤光『幻の「カフェー」時代』(淡交社)への補足ーー

学生時代のサークルの先輩でもある斎藤光先生の『幻の「カフェー」時代:夜の京都のモダニズム』(淡交社、令和2年9月)126頁に、カフェーカナリヤが出てくる。昭和3年9月『京都日出新聞』連載の「ステッキ」第5回「カフエー」の一文である。 コーヒらしいコーヒを手…

敗戦後昭和21年には日本に引き揚げていた藤澤親雄ーー『松本学日記』(芙蓉書房出版)で確認ーー

藤澤親雄の年譜については、「国際人藤澤親雄がトンデモに至る道 - 神保町系オタオタ日記」で作成したところである。小見山登編『創造的日本学:藤澤親雄遺稿 附諸家追悼・随想録』(日本文化連合会、昭和39年2月) 所収の「経歴年譜抄」が当てにならないので、他…

明治44年清国人留学生黄尊三も倣った加藤咄堂立案の『修養日記』

黄尊三著、さねとうけいしゅう・佐藤三郎訳『清国人日本留学日記:一九〇五ー一九一二年』(東方書店、昭和61年4月)に、『修養論』(東亜堂書房、明治42年4月)の著者である加藤咄堂が立案、修養会が編纂した『修養日記』が出てくる。 (明治四四年) (略)一月一…

大正期に『江原小弥太個人雑誌』と『橋富光雄個人雑誌』の表紙を描いたマヴォイスト牧寿雄

文庫櫂から『江原小弥太個人雑誌』15号(大正15年4月)を入手。マヴォイスト牧寿雄が表紙を描いた創刊号(大正14年2月)は、「大正12年装幀家としてデビューしていたマヴォイスト牧寿雄ーー五十殿利治「関西『マヴォ』について:牧寿雄と『マヴォ』関西支部」への…