神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

2005-12-30から1日間の記事一覧

 『本屋風情』(岡茂雄著)から

私が浜田青陵先生の、身に余る知遇を得られたのは、清野謙次先生 あってのことであり、清野先生から直接受けた恩義も限りないもの であるということ、そして今は亡き両先生の御冥福を祈って已まない ことを、改めてここに書き留めておく。 (中略) 特に、私…

『日本の経済学を築いた五十人 ノン・マルクス経済学者の足跡』(上久保敏著)から

思わぬ所に思わぬ古本屋があり、思わぬ品を置いているということが ある。自宅の最寄り駅から電車で10分足らずの古本屋がそうである。 誰にも教えたくない漁場のような存在だ。以下でみる作田荘一の『皇国 の進路』(昭和19年)もここで知った本である。 …

『下山事件<シモヤマ・ケース>』(森達也著)から

奇妙なタイトルの小冊子が引出しの奥にあった。表紙に綴られたタイトル は「毛の国」。その下に記された著者名は、矢板玄と三菱化工機社長という 肩書きがついた白井秀雄なる人物だ。 (中略)数頁読み進めるうちに、どうやら日本人とユダヤ人との相違点や …

『横田順彌のハチャハチャ青春記』(横田順彌著)から

[一の日会]の仲間が、ぼくを古典SF研究家にしてくれたのだ。そのおかげで、 いまは、ほとんど蒲団一枚しか敷くスペースしかなく、あとはすべて古本に 囲まれるという生活をしているが・・・。数年前、二十年間生活を共にして きた妻に、突然離婚届けを突きつ…

『文芸東西南北』(木村毅著)から

この島田翰が如何に日本人離れのした凄いビブリオマニアであった かは内田魯庵氏が読売新聞に連載せられた『蠹魚の自伝』に詳しか った。その中にはまるで西洋の探偵小説のような面白い話もあった。 そして彼が又永井荷風氏の青年時代の親友であった事は、例…

 『古書巡礼』(品川力著)から

(日本文壇史)24巻の索引は大学の図書館の人がやったときかされて、いよいよ専門家の登場、講談社も索引に本腰を入れ始めたなあと思いながら眼をやると、古屋(こや)芳雄がFの部に、素木(しらき)しづ子がMの部、坪谷善四郎が坪内善四郎なんですよ。 (…

 『評伝・SFの先駆者 今日泊亜蘭』(峯島正行著)から

新潟県長岡へ疎開したまま、帰京していない父の水島爾保布に手紙を 出して、佐藤春夫への紹介状を書いて貰った。 (中略) その時、佐藤は凡そ、次のようなことを言った。 「自分の弟子筋に当たる男に大坪砂男という男がいる。(中略) 大坪を君に紹介するか…

『横田順彌のハチャハチャ青春記』(横田順彌著)から

古書集めは前記のように中学時代から、ぼちぼちとやっていたが、買うのは、旧<宝石>のほかは<丸>や<画報戦記><世界の艦船><航空ファン><航空情報><海と空>といった戦記雑誌や飛行機関係雑誌、[世界航空文学全集]のルネ・ムシュット『大空への…