奇妙なタイトルの小冊子が引出しの奥にあった。表紙に綴られたタイトル
は「毛の国」。その下に記された著者名は、矢板玄と三菱化工機社長という
肩書きがついた白井秀雄なる人物だ。
(中略)数頁読み進めるうちに、どうやら日本人とユダヤ人との相違点や
共通点について書かれた論文であることがやっとわかってくる。「日ユ同祖論」
という言葉が頭をよぎる。詳しくは覚えていないが、日本人とユダヤ人は
共通の祖先を持つという突拍子もない思想で、戦後の右翼たちが占領軍に
協力することに整合性を持たせるために援用した思想のはずだ。
(参考)明治時代から存在する日猶同祖論について、「戦後の・・・」という
話があるとは初耳。森氏の勘違いか?