神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

江口榛一から臼井喜之介宛献呈『故山雪:歌集』ーTHE KYOTOで「京都・左京区研究」始まるー


 いつもお世話になっている三密堂書店の100円均一台。ここで拾うべきは、くろっぽい雑誌か小冊子だと思う。しかし、たまには単行本を買うこともあって、江口榛一『故山雪:歌集』(世界文庫、昭和35年12月)も昨年だったかに見つけたそんな1冊である。
 最初は歌集ということでスルーしかけたが、念のためパラパラすると臼井喜之介宛献呈本だったので購入。臼井の旧蔵書はしばらく前にまとまって古書市場に出たようで、前登志夫『宇宙駅:詩集』(昭森社、昭和31年6月)など多数の臼井宛献呈署名本が「日本の古本屋」に出品されている。
 臼井と江口はともに詩人で、臼井が昭和21年1月に創刊した『詩風土』(当初一條書房、のち臼井書房)の25輯(昭和23年8月)の「詩をめぐる座談会」に出席したり、26輯(昭和23年9月)に「死中の活」を執筆している。その後も交流が続いていたのだろう。
 さて、京都新聞「THE KYOTO」で「京都・左京区研究」(新連載企画始動へ京都の異色“区”豪華執筆陣で解剖)が始まった。京大北門前にあった臼井書房、熊野神社近くで正確な位置が不明な西川誠光堂*1、東山仁王門に今もある印刷会社からふね屋*2など左京区の書店・出版・印刷関係者なども登場するだろうか。