神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

道楽絵はがきの時代と三田平凡寺

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京都国際マンガミュージアムの臨時休館が「3月15日まで」から「3月22日まで」に延長された。
京都の蒐集家小西一四三(号卜鯰爺)の三田平凡寺宛絵葉書ーー京都国際マンガミュージアムで三田平凡寺展開催中ーー - 神保町系オタオタ日記」で紹介した「「趣味の王さま」三田平凡寺、令和に復活す!? | 京都国際マンガミュージアム」の会期は3月31日までなので、無事再開できることを期待したい。
臨時休館している同ミュージアムに代わって、わしの手持ちの平凡寺の絵葉書をアップしておこう。この絵葉書は、大津市歴史博物館で平成21年3月から4月まで開催された「道楽絵はがきーーコレクターたちの粋すぎた世界ーー」展の図録にも掲載されている。それによると、昭和9年の宝船絵葉書交換会で交換されたものである。キャプションには、「宝船/若林壽之助(京都)/三田平凡寺画 昭和9年」とある。
なお、同展覧会は京都にあったみやび会の一員である米谷徳太郎のコレクションを中心に、絵葉書・郷土玩具・納札・絵馬など様々な物の蒐集家が交換会のために製作した木版絵葉書を紹介したものである。図録の「交換会と我楽他宗」によると、

大正11年の年賀状交換会から始まったとされる交換会ではあるが、年賀状を「交換」するという発想や、地方の会員を含めた交換会のノウハウは、我楽他宗などが行っていた趣味品を交換するという慣行が根底にあり、そこから派生したと考えられる。

「のむらや」の若林壽之助については、「日本蔵票愛好会々員若林壽之助 - 神保町系オタオタ日記」及び「昭和14年京都のみやび会に結集した10人のコレクター群像 - 神保町系オタオタ日記」参照。また、図録には宇崎純一画の絵葉書も何枚かあって、林哲夫「宇崎純一著作等出版関連年譜[稿]」『spin』6号に記載のないものもあるので、未見であれば参考にされたい。
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