神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

宇崎純一が道頓堀の真昼を描いた絵葉書ーー山本不二男宛梅谷紫翠の絵葉書ーー

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平成24年7月から9月にかけて、堺市立文化館で「晶子さんとその時代ーー宇崎純一と華やかな大阪出版文化ーー」が開催された。スミカズが描いた絵葉書が大量に出品されていて、いつかは1枚くらい入手できるだろうかと思ったものだった。その後、書物蔵氏からの感化もあって、絵葉書を蒐集するようになり、懇意になった寸葉会の矢原氏からスミカズの絵葉書を入手できた。写真を挙げたものである。
使用済みのためか、安く1,000円。大阪市西成区の梅谷紫翠から同市此花区の山本不二男宛である。消印は、昭和10年7月31日。宛名面の中心に「新大阪風景・道頓堀の真昼の図/宇崎純一氏えがく」と印刷されている。今や愛書家必携となった『昭和前期蒐集家リスト』に梅谷は無いが山本が載っていて、交通関係の紙ものを集めていたことがわかる。山本のコレクションは、天理参考館が所蔵している。
前記展覧会で図録代わりに売っていた『spin』6号(みずのわ出版、平成20年10月)の林哲夫「宇崎純一著作等出版関連年譜[稿]」には、梅谷蔵版の絵葉書として昭和8年8月「夏女三題」、11年「宝船」が記されているが、これは載っていない。林氏が未見となると、1,000円は安い買い物だったか。
参考:「波屋書房と宇崎純一 - 神保町系オタオタ日記」、「波屋書房と宇崎純一(補足) - 神保町系オタオタ日記