神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

小松左京と大正・昭和の挿絵画家

小松左京研究会の『臥猪庵通信』2巻1号、1979年8月から「臥猪庵通信ジグソーパズル」連載開始。編集者から見た小松左京像だが、第1回は、実業之日本社で『週刊小説』の編集をした後、集英社文庫の編集をしている三崎信一郎氏。最初にもらった原稿は『夜が明けたら』の「ツウ・ペア」で、その後の担当作品は、という質問に対し、

三崎 その『夜が明けたら』の中の作品と「題未定」(「題未定」の各章末にある「今週の怒り」等々は三崎氏の筆になるものだそうですーー編集部注)、それに「迷い子」とかの短編が三つ四つあります。
それから、小説ではありませんがーーこれは小松先生から話が持ち込まれてきたんですが、挿し絵を昔からやっている人たちに話をうかがって、資料としてのイラスト史みたいなものをつくっておこうとしたんです。たとえば、蕗谷虹児さん(代表作は「花物語吉屋信子作)」の挿絵や雑誌『令女界』の表紙絵など)、小田富弥さん(「神州纐纈城(国枝史郎作)」、野口昴明さん(「大菩薩峠絵本(中里介山作)」)なんていう人が戦前からやっていますが、だんだん年をとっていなくなってしまい、資料も散失してしまう。そいう資料を今のうちに集めておこうと、小松先生と尾崎秀樹先生、それにぼくの三人で一緒に日本中を回ったんです。古い人たちだからどこにいらっしゃるかわからないのを、日本中訪ねてインタビューをしたり資料をいただいたりしました。まだ本にはしていないんですがいつかは一冊にまとめたい、と小松先生は思っていらっしゃるようですね。

この資料は発見されて、『小松左京マガジン』に「小松左京が聞く大正・昭和の日本大衆文芸を支えた挿絵画家たち」として連載された。例示された画家のほか、田代光、志村立美、和田邦坊、藤原せいけん、富永謙太郎が対象。私は、同誌を見てないが、木股知史先生辺りが好きそうな。