神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

思想なき藝術家筒井康隆


筒井康隆『乱調文学大辞典』によると、

たにざき-じゅんいちろう【谷崎潤一郎佐藤春夫に「思想なき芸術家」と評されて以来、それが彼への世評となってしまった。ぼくが作家になったのはこのことを知り、ぼくの大嫌いな「思想」がなくても芸術家にはなり得るのだと悟ったからである。


『乱調文学大辞典』に書かれたことだから、真に受けてはいけないが、10分の1位の確立で真実の可能性はある*1


(参考)「(略)僕は潤一郎を「思想なき芸術家」と云ふことに決めてゐる。といふのは、彼は所謂思想好きでしかも空疎な考へ方で思想をするといふ意味のつもりなのだが」(佐藤春夫「秋風一夕話」『随筆』大正13年10〜12月号。『退屈読本』所収)

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よく考えたら(考えなくても?)『坂の上の雲』は読んでいないのであった(汗)

*1:同書の「自序【第一版】」に「約十分の一ほどは、事実をそのまま書いた方が面白いと思ったため、特に茶化しもせず、パロディにもしなかった」とある。