神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

昭和32年11月2日奈良女子大学の文化祭で講演「西洋文学と日本」をした桑原武夫


 平安蚤の市で入手した奈良女子大学の学生達による北海道旅行の計画書についての記事「昭和32年奈良女子大学家政学部被服科の女学生が旅した北海道ーー山本志乃『団体旅行の文化史』(創元社)を使うーー - 神保町系オタオタ日記」は、多少評判が良かったようだ。今回紹介する昭和32年11月2日~4日に奈良女子大学で開催された文化祭のパンフレットも、同じナンブ寛永氏の200円均一箱から購入。旧蔵者は、北海道旅行の計画書と同一人物だろう。第一日目の講演者に桑原武夫が出ていたので、買ってみた。講演の議題は、「西洋文学と日本」である。

 昭和33年のパンフレットも出ていて、そちらは林屋辰三郎の講演だったが、買わなかった。当時の学長は落合太郎で、桑原の京都帝国大学文学部文学科フランス文学専攻時代の恩師なので、講演はその関係で引き受けたのだろう。桑原の詳細年譜を作っている人がいたら、記入していただきたい。また、パンフレットを見ていて面白そうと思ったのは、文芸部の展示会「大学同人雑誌展望」である。全国の大学の同人雑誌を集めたようだ。

 こういうパンフレットは残らないもので、少なくとも奈良女子大学図書館にはない。『奈良女子大学六十年史』(奈良女子大学、昭和45年3月)249頁には次のような記載があるが、文化祭がいつから始まったのか分からなかった。

 各サークルの日常活動の諸成果が総合的に表現されるのは毎年晩秋十一月上旬に行なわれる学園祭(文化祭・大学祭、昭和四十一年度以降学園祭)においてであろう。学生自治会ないし学園祭実行委員会が中心になって自主的に企画し実施し、多くの年度は運動会をも含んで、教職員や市民とも交流する恒例の行事である。(略)

 京大の場合も、11月祭のパンフレットは大学図書館や大学文書館にも無いと思っていた。しかし、以前の検索の仕方が悪かったのか、大学文書館に所蔵されていることが判明した。古本市でも見たことがない貴重品なので、懐かしい70年代から80年代の物を閲覧してみたいものである。毎年A号館で実施したUFO超心理研究会の展示も載っているはずである。また、私家版ではあるが松田陽一『京都大学における「学生の祭」の歴史に関する調査報告書:陸上運動大会・園遊会・文化祭・11月祭を中心にして』(平成24年1月)という本もあるようだ。凄いですね、11月祭について調べた人がいるんだ。