神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

「本おや」で『ほんまに』14号(くとうてん、平成23年)を入手ーー「へちま倶楽部と貫一」掲載ーー

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 大阪の「本は人生のおやつです!!」(本おや)に取り寄せを頼んでいた雑誌『ほんまに』14号(くとうてん、平成23年11月)を入手。竹十主人「湊東古書四時雑記 へちま倶楽部と貫一」が載っているので、読みたかったのである。西村貫一に関して目新しい内容としては、
阪神大石(神戸市外西灘村河原)に別邸を建築、『大石の田園生活』なる小冊子がある。
・欧米漫遊から帰国後、水谷鋏也らと同人誌『アンテーク』を創刊したが、貫一の小説中の性描写により発禁
森鴎外に幾つか原稿を送り、面会の機会を得たものの、文豪を前に生来の生意気が災いして悪い結果に。ただし、後年子息の森於菟とは昵懇になった。
 同人誌の発禁については、斎藤昌三編『現代筆禍文献大年表』(粋古堂書店、昭和7年11月)では、確認できなかった。参考文献の雑誌『金曜』を全48冊としているので、地元でも49号が発行されていたことは知られていないようだ。→「へちま倶楽部の西村貫一と雑誌『金曜』(へちま文庫)ーー『金曜』の終刊時期はいつかーー - 神保町系オタオタ日記」参照
 本誌には、他に牛津太郎「本のある街角から」第8回として、「黒岩比佐子さんの肖像」掲載。牛津大学で修行した某先生だろう。前年に亡くなり一周忌を迎える黒岩さんを偲ぶ記事。黒岩さんが善行堂を訪ねた時に、先生が撮影された写真が載っている。この写真は、善行堂の壁に今も貼られている。
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