神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

飛鳥園発行の『東洋美術出版目録・東洋美術写真目録』(昭和9年)

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 小田光雄近代出版史探索Ⅱ』(論創社、令和2年5月)351回は「小川晴暘、島村利正『奈良飛鳥園』、安藤更生『三月堂』」。そう言えば、飛鳥園の目録『東洋美術出版目録・東洋美術写真目録』(昭和9年11月)を持っていたなあと掘り出してきた。いつどこで買ったのか、記憶はない。「飛鳥園内新しき村奈良支部の新藤正雄宛柳宗悦講演会の案内葉書 - 神保町系オタオタ日記」で飛鳥園に言及したことがあるので、買ったのだろう。
 本書は2つの目録から構成されている。「東洋美術出版目録」は、単行本の紹介のほか、雑誌『東洋美術』創刊号~21号・特輯号2冊、『仏教美術』創刊号~21冊の目次を挙げている。「東洋美術写真目録」の方は、「如意輪観音像」(大阪府南河内観心寺)の見本写真から始まり、口絵写真36頁、時代別の仏像等写真一覧という豪華なものになっている。
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 国会図書館サーチによれば、飛鳥園の目録としては、本書の前に『仏教美術写真目録』(昭和2年)、『東洋美術写真目録』(昭和4年)があった。
 「飛鳥園出版物各地取次販売店」も掲載されている。京都では、芸艸堂や西川誠光堂の名が見える。東京4店、大阪4店に比べて京都が7店もあるのは、奈良との距離の近さ、飛鳥園に協力した京都帝国大学の存在、寺の多さが理由だろうか。
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