神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

芸艸堂が発行した謎の西洋芸術叢書

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寿岳文章が『美』23巻3号(芸艸堂、昭和4年9月)に「ブレイクの画論」を書き、それが西洋芸術叢書として刊行されたらしいことは、「壽岳文章と芸艸堂 - 神保町系オタオタ日記」で紹介した。百万遍知恩寺の秋の古本まつりで『美』のその号を拾った。玉城文庫の1冊200円3冊500円コーナーから。大量に出ていた同誌の目次を全部見て、掘り出した。写真をアップしようと思ったが、おこたを出すために積ん読本をかたづけたため、所在不明に(´・_・`)
ところで、この西洋芸術叢書に謎がある。壽岳の『ブレイクの画論』は麗澤大学図書館が所蔵しているが、OPACでは東洋芸術叢書となっていて、同図書館の誤入力だと思っていた。ところが、芸艸堂の目録で西洋芸術叢書とされている本で実際は東洋芸術叢書として刊行されているらしいものが他にもあった。園頼三『絵画に於ける点・線・面』と中川伊作画・南江二郎著『新舞台芸術としての人形芝居及簡易な人形座作成法』である。どちらも芸艸堂の目録では西洋芸術叢書として挙がっているが、前者は国立新美術館アートライブラリーで東洋芸術叢書19、後者は白百合女子大学児童文化研究センターで東洋芸術叢書20とされている。3つもあると、誤入力は考えにくくなる。西洋芸術叢書は本当に刊行されたのだろうか。芸艸堂さん、教えて~