神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

某公立中央図書館事件

本の雑誌』平成9年3月号は、「この10年のSFはみんなクズだ!」特集。それで、私が買った最初の『本の雑誌』となった。それはともかく、同号の投稿欄「三角窓口」に、ある図書館員のお詫びが載っている。「12月号掲載の“極私的お願い”について」として、

図書館員は、利用者が図書館で何を読んだか、どんな本を借りたか、どんな調査をしたか、というようなことを第三者に漏らさないことを基本にしています。筆者の文は、図書館員として配慮に欠けていました。(略)

とある。
何事があったのかと、平成8年12月号を見ると、俳優のM氏(原文は実名)あてに、お探しの資料が入ったという連絡の投稿である。詳しくいうと、M氏が8月に『別冊太陽 子どもの昭和史 童謡・唱歌・童画100』を探しに来館したが、所蔵しておらず、その後購入したという内容である。「"読書の自由”を侵害して申し訳ありませんが、今、お出になると見られる」とも書いている。この投稿後、外部から指摘でもあって、お詫びの投稿を出したのだろう。それにしても、最初の投稿には、「×立中央図書館新聞雑誌室職員一同」とあるから、一司書の独断による投稿ではなかったはずだが、「読書の自由」に言及しながら、地方公務員法守秘義務や「図書館の自由に関する宣言」にある「利用者の秘密」に思いが及ぶ職員が一人もいなかったのが不思議である。