秋田雨雀日記に謎の日光図書館長が出てきた。
昭和6年7月18日 商工会議所へゆくと藤井という日光図書館長がいて、日光史の話をしていた。山中菊子、椎橋君(エスペランティスト)*1、乳井秀夫君(官房主事をしていた人)、各新聞社の人々にあった。藤井氏たちとパンをたべた。開会と同時に藤井氏の「日光秘史」がはじまった。篤学な人らしい。
日光図書館とは、大正12年4月に開設されたという輪王寺附属日光文庫のことだろうかと推測していたら、それを裏付ける文献があった。藤井萬喜太『社会事業史』(白揚社、昭和16年3月)の藤井経雄「日本社会事業史の終に」によると、経雄の父萬喜太は、
・昨年(昭和15年)3月31日69歳で急逝
・明治39年から大正7年まで郷里前橋市で前橋育児院と称する失恃児童救護の機関を経営
・大正15年から昭和10年まで日光山輪王寺附設の特種図書館日光文庫の事務を嘱託された
藤井という人物、yukunokiさんの「群馬学」のネタになりそうな人物かも。