神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

阿佐ヶ谷のモナコと徳田耕作

光成秀子『戸坂潤と私』(晩聲社、1977年10月)に昭和5年のこととして、

阿佐ヶ谷駅北口前の「モナコ」は、羽目板にコールタールを塗った簡単な外装で、ステンド・グラスの小窓が二つついていましたが、特別興味を持ったのは入口のドア一ぱいの豪華なステンド・グラスでした。店に入ると大柄な体格の店の主人が、自ら箒を持って掃除をしていました。自分が店の主人の徳田耕作だと自己紹介して、私に椅子をすすめると、テーブルの向かい側にどっかりと腰を下ろしました。面接の話の間に、本職は洋画家で、ステンド・グラスの会社に図案家として勤めていたことがわかりました。

とある。徳田耕作は、徳田球一の従弟。耕作没後の昭和21年4月、球一は未亡人たつと再婚している。