神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

谷沢永一の逝去と和田芳恵『筑摩書房の三十年』の刊行

『WiLL』の「天地無用」が休載されていたので心配していた人も多かっただろうが、谷沢永一が亡くなられた。かつて、谷沢は、「読ませる出版社史」で、「筑摩書房が創業三十年にあたり、記念事業のかわりにと配布した物語風社史『筑摩書房の三十年』は、執筆者に和田芳恵を得て見事な出来ばえだ。(略)世の読書人にとって興味あるこの本の一般市販を望むたい」と書いた。その和田の書いた社史は、今月筑摩選書から復刻される。谷沢は知っていただろうか。また、谷沢は『紙つぶて 自作自注最終版』の「まえがき」に「この大冊が破格の厚志によって刊行された暁、私にとってもはや思い残すことはなにもないのである」と書いている。それから5年強、思い残すことは何もなかったと信じよう。

筑摩書房の三十年 1940?1970 (筑摩選書)

筑摩書房の三十年 1940?1970 (筑摩選書)

紙つぶて―自作自注最終版

紙つぶて―自作自注最終版