神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

 福来友吉と五十嵐光龍の催眠術実験


復刻もある五十嵐光龍『自働療法』(婦女界社、大正9年2月)によると、

催眠状態になつて居る時に、何の位計算が正確に敏捷に出来るかを実験した事がある。それは明治四十一年十月九日に東京の帝国大学で実験したので、被術者は廿五歳位の青年で平素算盤など手にした事のない者であつたが、十八に十五を乗けると幾らと聞くと二百七十と答へたが、其の間が十五秒。十五に十五を乗ずると幾らと聞くと、二百二十五と答へて其れが八秒。十八に十一を乗ずるといふと百九十八と答へて其れが七秒かゝつた。即ち此の短時間に正確な答を出す事が出来たのである。


日は違うが、同じ十月に本郷で行われた催眠術実験は、武者小路実篤志賀直哉、木下利玄が見学している(5月22日参照)。いずれも、主催:福来友吉、術者:五十嵐光龍だろうか。


時期は下るが、福来と五十嵐が知り合いだったことは、三村竹清の日記でわかる(2月29日も参照)。

大正5年8月5日 朝 芝三田通寺町五十嵐光然[ママ]氏を訪ふ 昨秋福来博士の紹介也 真言の僧に同名あり たゝの家に居れは僧にはあらぬにや


9年8月10日 朝 三田通新町五十嵐光龍氏を誘ふ 前年福来博士紹介にて尋たる事あり

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『メトロミニッツ』を拾わねば・・・

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「間宮茂輔」は、『日本近代文学大事典』では、まみやもすけ。国会図書館が「しげすけ」とする典拠は何だろう。