神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

由良哲次と小島威彦


由良君美の父哲次は昭和2年京都帝国大学文学部哲学科卒、スメラ学塾の小島威彦は翌年同科卒。共に西田幾多郎の門下生である。西田の日記を見てみよう。

昭和9年3月6日 小島[威彦]来る 由良[哲次]来る 木村道子来る


  10年9月8日 小島、仲小路、由本(商大)、石津、草薙[正夫]、海後[宗臣](精神文化)来 [高橋]文来


  13年8月11日 午後由良[哲次]来 夜肥後[和男]来「神話研究」を持ち来る


     21日 高倉テル来 小島威彦来 高倉より良寛の複写を贈らる


注:[ ]内は原著の編者による。


小島と由良の名前は出てくるが、同行した形跡はない。昭和15年5月のスメラ学塾創設後も、両者は思想的には近かったと思われるが、哲次が小島に協力したという記録はない。


10年9月8日に登場する名前が面白い。仲小路彰に海後宗臣(一昨年9月13日参照)。石津は石津照璽と思われる。同月9日付け西田の久松真一宛書簡に「昨日東京の宗教を出た石津という人が来ました 貴兄を知り居る由」とある。小島と石津については、一昨年4月27日に言及したけれど、交流があったというのは嘘ではなかったようだ。


(参考)小島も哲次も、戦後「著書」を理由として公職追放となった。

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魯山人の美食手帖』(グルメ文庫、角川春樹事務所)に「弦斎の鮎」が収録されていますた。


てーへんだす!
国立近代美術館フィルムセンターで5月9日、28日に戦後CIEが作った「格子なき図書館」(22分、白黒)なる映画をやるみたいだす、だす。