神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

 三太郎の先輩


松宮春一郎の名前を再び見つけた。

大正7年9月1日 午後興亡史論刊行会の松宮春一郎氏来訪、十余年ぶりの対面なり。Wendland:Die hellenistisch-römische kultur の翻訳をたのまれ、心動きて引受しがあとで少しよんで見て自分ぢや出来ないと思ひ、石原と共訳でなければ[「と」欠?]云つてやる、石原へも同時に相談の手紙をかく。


  8年3月7日 松宮春一郎氏より亡妻追悼録を送つてくれる


    3月8日 午前松宮の追悼録をよんで動かさる、弔状をかく


    4月19日 松宮君の使が興亡史論のことにつき来訪。


    5月17日 午後松宮氏の使水谷某氏来訪、支那紀州等の旅行談をきく其処に板垣久しぶりにて来訪、日暮まで話して行く、(略)


    8月4日 興亡史論の訳は九月一杯といふことに葉書をかく、レオナルドだけやつておかうと思ふ。


「石原」は石原謙、「板垣」は板垣鷹穂と思われる。
これは、阿部次郎の日記だけど、学習院卒の松宮と、一高・東大卒の阿部とどういうつながりがあったのだろう?
未確認だが、松宮は明治35年7月学習院大学科卒業後、新聞記者歴があるようだから、その関係か。


結局、阿部による翻訳は実現していないと思われる。


(参考)松宮の名前は、柳田の「大正十一年日記」にも出てくる。

                                                                                                          • -


昨日の日経に桜庭一樹さんが出てた。紀伊國屋専門かと思っていたが、ジュンク堂新宿店内での写真だった。
本日の朝日、「話題の本棚」に黒岩さんの独歩本が出てるだす。