神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

松宮春一郎と『外交時報』

「松宮春一郎年譜」(2月13日参照)は、安藤礼二氏に続いて小田光雄氏(「古本夜話104 『世界聖典全集』と世界文庫刊行会」)からも過分のお言葉をいただきました。作成した甲斐がありました。ありがとうございます。この松宮だが、伊藤信哉『近代日本の外交論壇と外交史学 戦前期の『外交時報』と外交史教育』(日本経済評論社、2011年3月)にも出てきた。

松宮春一郎は、一九〇二(明治三五)年七月に学習院大学科を卒業した人物である、すでに述べた通り、有賀は学習院でも外交史を講じており、松宮はそこで有賀の知遇を得たものと思われる。一八七五(明治八)年ごろの生れで、のちに中央大学の運営に携わり、一九三〇(昭和五)年から一九三三(昭和八)年まで、同校の事務部長を務めた。『外交時報』には、学習院を卒えてまもない、一九〇二(明治三五)年一一月から記事を載せはじめ、「韓国時報」や「国際経済時報」などを担当している。

「有賀」は、明治31年2月に『外交時報』を創刊した有賀長雄。松宮が昭和5年から中央大学の事務部長だった*1というのは新知見である。

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「表現急行」様、日経に石原千秋先生が書評を書いておられますね。

*1:典拠は『中央大学百年史』年表・索引編