神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

依田学海と催眠術(その2)


再び『学海日録』を引用すると、

明治29年10月14日 晴。杉浦梅翁を訪ふて、午餐の供にあふてかへる。(略)この日梅潭の娘に、その先夫蔭山某が催眠術を行ひしを問ひけるに、いかにもこれを研究して行ひしとなり。(略)よてこの術をよくせる医士鈴木満二[ママ]郎が訳せしメスマー氏が動物電気論一巻を出して示されしが、そを携てかへれり。その法きはめて簡単にして、果してこの如く行はるにや、いと信じがたし。(頭欄)「蔭山氏は医師にして、去るとし独乙国に遊学せしが、かの地にて病死せり。よてこの婦人は、今父翁のもとに在り」


杉浦梅潭こと、杉浦誠は最後の箱館奉行として知られる人物。その娘の夫で催眠術を行ったという蔭山とは何者だろう?


学海先生は、メスマー著、鈴木万次郎訳の『動物電気概論』(十字屋、明治18年)も読んだみたいだね。この頃の先生のマイブームは催眠術だったようだ。


追記:噂の乾淑子編著『図説 着物柄にみる戦争』(インパクト出版会)を見る。スメラ柄(どんな柄だ?)はないみたい。