神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

昔話の神様関敬吾


戦前、東京帝国大学附属図書館の司書官だった山田珠樹の回想*1によると、

あの当時の東大図書館は和漢書係、洋書係と二つの大きな系統に仕事が截然と分かれてゐて、二名の司書官が各々その一つを主裁して、仕事をする場所も建物の両翼に分れ、互に相犯すことがなかつた。
洋書係のものは外国から来る何十万巻と云ふ図書の洪水に、その整理なぞは夢愚か、受付にテンテコ舞をしてゐたのである。とても和漢書のことなぞに心を向ける余裕はなかつた。(略)今ではこの洋書係に日本の昔話研究の旗頭が居るのだから、当時の東大図書館は確かに普通と違つてゐたのである。


この「日本の昔話研究の旗頭」が、岩波文庫で昔話の本を出している関敬吾だね。
民族研究所時代の関が柳田國男の『炭焼日記』に出てくる。

昭和20年3月19日 関敬吾君来、妻子を富士郡岩松村へやる。民族学[ママ]研究所は彦根疎開すといふ。/関君に余部ある本を分けてやる。


    5月22日 午後関君来、中央文化聯盟の嘱託となり、芸能の調査に携はるといふ。民族学[ママ]研究所をやめる。


    8月18日 関君来る、文化聯盟の改革せらるべきやうすを語る。


追記:「L25」に伊藤美咲登場。ドラマでは「壁おんな」(胸の小さいコ)役として出演中。胸の大きな「山おんな*2役は深キョン。タダでも深キョンはいらないが、伊藤ならいくらでもだすから嫁に来てほすいだすね。えっ、そんな金があったら『書肆アクセスの本』刊行基金にカンパしろって(汗


来月刊行予定の猫猫本二冊。『売春の日本史』(新潮選書)、『童貞小説集』(ちくま文庫)。なんせ二人分稼がなくっちゃね!?

*1:「向ふ見ずな仕事をした思ひ出」『書物展望』昭和11年4月号

*2:山おんな」はどうも女のサンカを想像してしまう。むしろ「谷おんな」の方がよくないかと思ったが、それでは「がけっぷち女」という年齢的要素を想像してしまうか。