神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

秋田雨雀とポール・リシャール


秋田雨雀日記』第1巻によると、

大正5年5月31日 今日はなにもしなかった。しかし気持は悪くはない。すこしねむいので、午後入浴後、床につくと、エロシェンコ君と里見君がきた。フランス人でリシャール(東洋哲学者)という人がアレキサンダー女史のところへきているというので、晩にぼくもゆく約束をする。今夜リシャールが宮崎氏とあう約束であったが、こなかった。リシャールは妻君と仏語のできる若い女といた。主人はテオソフィの人で、インドを経てきた人で、スウェデンボルグや、アンナ・ベーゼントのことを話した。ぼくに日本の医薬(秘密薬法)のことを聞いた。オゾンの薬のことを話していた。


あまり洋物は知らないので、意味がよくわからない。


この他の条によると、リシャールが茗荷谷に住んでいたことや、早大で講演会を行ったことがわかる。最後に会ったのは大正6年9月29日。8年8月18日には憲兵がリシャールのことで秋田を訪問している。


追記:武蔵野美術大学出版局から『ムサビ日記』というのが出てるみたい。