神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

甲鳥書林の土橋利彦


斎藤茂吉の日記にも甲鳥書林が出てきた。

昭和17年2月3日  ○午前診療、来客石田徳太郎、土橋利彦


    3月17日 ○来客、櫻井書店(中略)土橋利彦(甲鳥)


    4月21日 ○来客、(中略)土橋利彦(甲鳥書林


    11月24日 ○来客第一書房斎藤春雄(中略)土橋利彦


  19年12月11日 ○ソレカラ露伴先生ヲ訪ウタ(卵七個)。談話二時間、土橋利彦君ガ宿ツテ雑用ニ当ツテ居ラレタ。 


土橋利彦(どばしとしひこ)は、『日本近代文学大事典』によると、

塩谷賛 しおたにさん 大正5・8・28〜
研究者。東京生れ。本名土橋利彦。東京府立三中卒業後雑誌記者として、昭和十七年初夏露伴に面会、以来弟子となる。十九年夏、職を辞して露伴の死までその口述筆記をする。


ここでは社名は挙がっていないけで、甲鳥書林に勤めていたのだね。塩谷の中公文庫版『幸田露伴』の解説(植村清二)には、


本書の著者塩谷賛(土橋利彦)は、大正五年に東京の本所で生れた。父は鉄工所を経営していた。著者は府立三中を卒業後、創作に耽っていたが、昭和十六年に甲鳥書林に勤務することとなった。この時甲鳥書林では露伴の作品を出版したいという意向があったので、著者は紹介状も持たないで、小石川の露伴の宅を訪うて、これを依頼した。


塩谷賛が甲鳥書林に勤務していたとは、ググっても見当たらないね。やっぱし、ググってるだけではだめか。


追記:今日は『ゲドを読む。』をゲットせねば。