神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

情報官鈴木庫三とクラブシュメールの謎


最終章 シュメールの黄昏(承前)


2 スメラ学塾とスメラ民文庫


鈴木庫三佐藤卓己言論統制』)はともかく、「クラブシュメールって?」という人は、4月15日、22日、23日あたりを見ていただきたい。また、スメラ学塾についいては4月21日を参照。
スメラ学塾については、だれぞの好きな(?)堀幸雄『右翼辞典』に掲載されていたので紹介しておこう。


1940年(昭15)5月17日、末次信正海軍大将を塾頭に小島威彦、白鳥敏夫らが結成。日本的世界原理であるスメラ学体系の普及徹底、日本世界維新の建設的戦士の養成を目的とし、奥村喜和男、石原広一郎、大島浩白鳥敏夫、平出英夫らが研究員として参加した。同年末には同塾の講習を一〇〇〇人が受講した。機関紙『スメラ文庫』

『スメラ文庫』は『スメラ民(みたみ)文庫』のことだと思われる。
同文庫についての書誌は奥村敏明『文庫博覧会』を参照。15点(1点が更に5分冊らしい)確認されているとのこと。また、同文庫のうち『アメリカ維新』(小島威彦他/世界創造社/昭和17年)が北原尚彦『新刊!古本文庫』(ちくま文庫)で紹介されている。
追記:大屋幸世『書物周游』中「文庫本拾遺」では「日本の一五年戦争を考える場合、この文庫すべて揃える必要あるかもしれない」とされている。