神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

『文庫本福袋』(坪内祐三著)中「谷沢永一『私の「そう・うつ60年」撃退法』」から


   ところで谷沢氏の代表作といえば読書コラム『紙つぶて』であるが、私はかつてある編集者から、谷沢氏が毎週毎週、あのクオリティーの高い、しかもわずか六百字のコラムを、書き続けることによって、「うつ」病が悪化したと聞かされ、それを信じたことがあったが、本書の中で谷沢氏は、その連載が始まって当時のことを振り返って、逆に、「それはまるで頭の中いっぱいに立ちこめていた雲が、仕事に打ち込むうちに薄れてきて、青空が見えてくるような感じだった」と書いている。


(参考)『紙つぶて』の「自作自注最終版」が12月5日に文藝春秋から単行本で発売とのこと。完全にハイな状態か!?