東大で新人会に入っておられたかどうか、私ども下司の世界では関心の在るところであった。新人会名簿には、反町茂雄の名はない。しかし、最近刊行された石堂清倫著『中野重治と社会主義』にはカウツキーの「経済学原理」読書会に反町さんは熱心に通っていたと記載されている。自分でも『一古書肆の思い出』に読む事には勇敢、実践には臆病であったとある。私は、反町さんがマルクス主義思想の革新的な良い面で大きく影響を受けているように前から思っている。
(参考)『中野重治と社会主義』(石堂清倫著)から
学友会の社会科学研究部のいくつかの分科会、(中略)カウツキー「マルクスの経済学説」(山田盛太郎)の研究会で、中野を見かけた記憶はない。(中略)ブハーリンの会には尾崎秀実が、カウツキーの会には、のちに古書界の大物になった反町茂雄や東京ガスの社長になった山口勝利などが常連であった。