神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

2012-09-01から1ヶ月間の記事一覧

風俗史家江馬務と荻山秀雄

花園大学歴史博物館で4月3日から6月16日まで開催された「風俗史家江馬務の見た明治・大正・昭和」展の解説付き資料叢書『江馬務『卅三年度江馬年中日記』『文科大学史学科三年史論』』(平成24年4月)を入手。『文科大学史学科三年史論』は京都帝国大学で教…

国文学界に黙殺された黒岩比佐子と小谷野敦

『出版ニュース』3月下旬号の小谷野敦「凍雲篩雪」に、 あるいは私は、『里見弓享伝』とか『久米正雄伝』とか、初めての伝記を出しているのだが、国文学の学術誌はみごとに黙殺である。私だけではなく、村井弦斎や国木田独歩の伝記を書き、若くして亡くなっ…

「スター・ウォーズ」の文字と呼ばれたマヤ文字

青山和夫『マヤ文明 密林に栄えた石器文化』(岩波新書)によると、 一九七〇年代末に、マヤ文字の不正確な解読によって、「古典期マヤ人は、金星の動きに合わせて、特に乾季に宵の明星として最初に昇る時に戦争を行った」という仮説が提唱された。この文字…

沼野充義がニコライ・レーリッヒを復権

沼野充義「ユーラシア文学宣言 ヨーロッパとアジアをつなぐ世界文学論は可能か?」『UP』9月号はニコライ・レーリッヒ(1874-1947)について、次のように書いている。 画家であり、中世スラヴ世界によく通じていた彼は、一九一三年ロシア・バレエ団による『…

岡正雄とアレクサンダー・スラヴィク

メモ:町田幸彦「デラシネ備忘録32」『未来』9月号は、「スラヴィク先生の回想」。1996年5月に行った元ウィーン大学教授アレクサンダー・スラヴィクへのインタビューの話。民族学者岡正雄にも若干言及。 ウィーン大学に再入学し、日本学の講座がないため中国…