神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

風俗史家江馬務と荻山秀雄

花園大学歴史博物館で4月3日から6月16日まで開催された「風俗史家江馬務の見た明治・大正・昭和」展の解説付き資料叢書『江馬務『卅三年度江馬年中日記』『文科大学史学科三年史論』』(平成24年4月)を入手。『文科大学史学科三年史論』は京都帝国大学で教えを受けた内田銀蔵、小川琢治、内藤湖南、三浦周行など教授陣の特徴を風刺したり、同窓生の私生活のエピソードを紹介したものだが、そこに荻山秀雄が出てくる。

世界屈指の一本立の名人 荻山秀雄
他のことはまけても一本立には遅れは取らぬ、酒癖が悪うにつて
原桑原両学匠の歓迎会には例の一本立で、まんまと両先生を
追ひ出してしまい、その一本立今は因果と近エ兵の御調練事
おりたゝせ玉ひて、なさけなや又一本立オイチニオイチニ、
この頃はその一本立が毎日出来るので大学卒業よりも満足
じやとさる方へ仰せありたるこそ
殊の他有難く殊勝なんめれ。
三輪田真佐子氏は君の叔母
なりといふ、

京都帝国大学一覧 従明治四十二年至明治四十三年』によると、江馬と荻山は、京都帝国大学文科大学史学科に明治40年入学。同期(第一期生)には西田直二郎もいた。原勝郎・桑原じつ蔵の歓迎会で失態を犯した荻山も後に朝鮮総督府図書館長となっている。
(参考)「オタどんの協力