神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

吉永進一「ピラミッドゼミ」 VS. 神保町のオタ「日本オカルティズム入門ゼミ」ーー横山茂雄ロングインタビュー掲載『近代出版研究』2号が4月発売ーー


 早いもので吉永進一さんが亡くなられて、今月末で1年になる。亡くなって数ヶ月間は思い出すだけで涙が出たが、もうそういうこともなくなった。吉永さんとは、大学に入ってUFO超心理研究会で出会って以来の仲である。当時の吉永さんは相手によっては厳しい人であった。しかし、私は同郷で高校の後輩でもあったので、可愛がられた方だと思う。
 吉永さんに頼まれて私も寄稿した栗田英彦編『「日本心霊学会」研究:霊術団体から学術出版への道』(人文書院、2022年10月)は、吉永さんの没後に刊行された。その栗田「あとがき」231頁には、次のような過分の言葉があった。

(略)神保町のオタさんは、吉永先生が学生時代に所属したサークル「京都大学UFO超心理研究会」の後輩で、これまた伝説となった近代ピラミッド協会の一員でもある。吉永先生のパソコンに残された未発表草稿には、一九七八年の特筆すべき出来事として「×××という異才が(UFO超心理研に)入ってきたこと」とあり、また、オタさんの編集したUFO超心理研の機関紙[ママ]『宇宙波動』二〇号に対しては「×××偏執[傍点]長の手腕が窺える」という賛辞がある(失礼ながら本名を伏せた)。いかに吉永先生が当時からオタさんの才能を高く買っていたかがよくわかる。私自身もオタさんのブログ「神保町系オタオタ日記」を読むたびに、「古書マニア」という在野の知の深淵にいつも舌を巻かされている。

 吉永さんや栗田さんが私のことをそんな風に思っていてくれたと知り、とても感激した。ただ、「異才」というのはリアルタイムの感想ではないだろう。1回生の時の私は、田舎から出てきて特に人見知りの強い何の取り柄もない青年だった。当時の吉永さんの口癖を借りれば、「しょうもないやっちゃ」と思われていたのではなかろうか(^_^;)
 吉永さんと過ごした懐かしいU超研(UFO超心理研究会の略称)時代の勉強会のレジュメが出てきたので、この際紹介しておこう。青焼きの「ピラミッドゼミ-1」は、1978年開催と思われる吉永さんによる全3回の勉強会*1の分の一部である。武内裕『日本のピラミッド』(大陸書房、1975年12月)に感化された有志のU超研メンバーは、前年11月に近代ピラミッド協会の機関誌『ピラミッドの友』を創刊していた。後に京大大学院宗教学専修で特殊(な)講義「心身論から見た日本近代思想」を開催することになる吉永さんだが、往年の「ピラミッドゼミ」を思い出すことはあっただろうか。
 「日本オカルティズム入門」の方は、1981年私が開催した勉強会のレジュメである。第1回分しか残っていない*2。「日本オカルティズム」が「山窩(さんか)」から始まるというのは、随分けったいな構成である。当時の私の趣味を反映してるのかな。「次週予定」には、「ついに出た!日本のピラミッド」とある。この頃吉永さんはもう部室には来られず、私の勉強会は聴いていない。参加されていたら、あれこれ突っ込まれたことだろう。
 吉永さんの畏友で古本仲間(にしてライバル?)だった横山茂雄さんへのロングインタビュー「川島昭夫吉永進一らとの交友、そして古本収集話」が『近代出版研究』2号(皓星社発売)の巻頭に載ります。4月7日発売予定です。私も聞き手の一人として、協力しています。よろしくお願いします。詳しくは、↓
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*1:他に、Sさんの「ESPゼミ」やIさんの「西洋オカルティズムゼミ」があったと思う。

*2:他に、「異端考古学ゼミ」や「超古代大陸入門」のレジュメが残っている。