神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

北白川にあった白陽社書店と大阪商科大学の某先生

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 これも寸葉会で「ひげ美術」から100円で。京都市左京区北白川の白陽社書店宛で、発信者が大阪商科大学(現大阪市立大学)の先生らしき「□川□郎」(又は□川□三郎)なので、購入。文面は、書籍について今月23日に上洛するので、御在宅をよろしくという内容である。発信年は不明だが、大阪商科大学の所在地が大阪市住吉区杉本町なので、昭和8年以降ということになる。
 白陽社は『京都書肆変遷史』には記載なし。国会図書館が所蔵してネットで読める*1村瀬白陽編『白陽創作図案集 薫風の巻』(大正15年6月)が白陽社発行で発行地が京都なので、出版社だったか。ただし、発行所の所在地は北白川ではなく、京都市外西院村小学校北横になっている。
 同書の著作兼編輯者の村瀬白陽と発行(者)の村瀬信一の住所が同一の西院花田になっているので、信一が本名、白陽が号で店名にも使ったのだろう。「デジタル版日本出版百年史年表」には該当なし。
 発信者の方だが、『大阪商科大学六十年史』*2(大阪商科大学、昭和19年10月)の「現旧職員一覧表」では見つからず。名前の読み方が違うのかもしれない。すっきりしないまま、調査を終了。
 絵葉書は、神戸高等商業学校興風部発行。裏の絵を挙げておこう。神戸高等商業学校の生徒の作品だろうか。
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*1:時々あることだが、本書のように同じ本でも限定公開とインターネット公開が混在している場合があるので要注意

*2:見返しに「大阪商科大学図書印」「大阪経済研究所図書印」「ゾムバルト文庫」「ローゼンベルグ文庫」などの蔵書印が印刷されているようで、面白い。