神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

『本のリストの本』(創元社)重版記念のイベントが京都市の徳正寺でーーあなたも本のリストを作ろうーー

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京王線沿線の吸血鬼伝説』
『直立魚類上・下』
『生首の正しい飼い方』
『自殺のススメ』
『古木探検』
『不思議昆虫図鑑』
『珍妙昆虫図鑑』
『陳氏菜経』
邪馬台国は火星にあった!』
『古墳の呪的文様』
『木を巡る対立』
『海竜祭の民俗』
『加美島民俗誌』
天孫降臨
『古代と民俗』
『諸国聞□草』
『萱間魚水短歌集』
『殺戮詩集』
『地獄の三時のオチャ』
『サイボーグベビーの逆襲』
『異聞馬頭教』
『根暗なミカン』
『魔王瑠死滅の生涯』
信濃秘志』
『諸国霊験奇集』
『筆浮草』
『妖魅本草録』
『鞍土の伝説』
『怪人猫マント』

 冒頭、突然「本のリスト」から始めてしまいました。これは、天神さんの古本まつりのチラシ用に諸星大二郎先生が描いた古書店の本棚及び紙魚子さんが手に持つ本から作成したものです。創元社から8月に刊行され、この度増刷された『本のリストの本』(創元社)の刺激を受けて作ってみました。この本は、5人の著者が様々な「本のリスト」を挙げ、面白く解説しています。凝ってるのは、著者紹介も「私を作った十冊の本たち」を並べて、経歴に代えていることです。なるほど、幼少期から人生の要所要所で愛読してきた本を見れば、その人がどういう人間か分かってしまう(又は分かった気になる)。
 『本のリストの本』という本が刊行される予定と聞いた時は、阿部良男編著『ヒトラーを読む3000冊』(刀水書房、平成7年2月)や宮澤正典編『日本におけるユダヤイスラエル論議文献目録1877~1988』(新泉社、平成2年6月)のようなお堅い文献目録を想像していた。ところが、刊行された現物を見ると驚いた。名曲喫茶に積まれた本を著者がメモした考現学的なリスト、無き上野文庫の『古書目録』に載った架空の書を並べた「買い入れ目録」、川島幸希『英語教師夏目漱石』(新潮社、平成22年4月)から漱石が英語の勉強に使ったり、英語の授業に使った教科書を抜き出したリスト、夫(扉野良人)の伯父秋野亥左牟家の本棚に残る家族の歴史とも言うべきボロボロになった絵本達など50程のリストが並ぶ。既存の世にも珍しい本のリストもさることながら、私には著者達自らが作成したリストの方が印象的だった。本書の感想として「本のリストを作りたくなった」とか「自分も本のリストを作ってみた」というのを幾つか見かけている。やはり、私みたいに本書から刺激を受ける人が多いようだ。
 さて、本書の重版を記念して京都市の徳正寺(下京区富小路四条下ル西側)で5人の共著者のうち3人(南陀楼綾繁林哲夫鈴木潤)のトークイベント「いつもそばに『本のリスト』があった」が今週12月4日(金)18時~19時30分にあるので、是非予約しましょう。本書作成の裏話、本には載らなかった秘密のリスト、リスト作成の裏技などが聞けるかもしれない。また、南陀楼さんが多彩な古書目録を紹介した伝説のフリペ『モクローくん通信』の展示、林さん放出の各種目録の販売もあるらしい。参加費は1500円。予約は、メリーゴーランド京都 mgr-kyoto@globe.ocn.ne.jp まで。オンライン視聴も可能で、そちらは
オンライン配信 『本のリストの本』重版記念トークイベント「いつもそばに『本のリスト』があった」...」へ。
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