神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

台湾の古書店台北堂書店(小野山三郎)の古書目録『(南支南洋)南方資源資料特集目録』(昭和16年)

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 先日『本のリストの本』(創元社)重版記念イベントが開催され、行ってきました。林哲夫氏所蔵の目録類の展示・販売もあり、眼福でした。私も古書目録は集めていて、ある程度集まると『日本古書目録大年表』(金沢文圃閣平成27年1月)にも載ってないような珍しい目録に関心が移っている。
 さて、今回は四天王寺秋の大古本まつりで古書クロックワークから入手した台湾台北にあった台北堂書店の古書目録(昭和16年6月)を紹介しよう。60頁、編集兼発行人は小野山三郎。200円。表紙に「(南支南洋)南方資源資料特集目録」「台北堂書店」「第八集ノ一」とある。裏表紙に林業特集目録を出してから1年経つとあるので、本来の目録名は「(南支南洋)南方資源資料特集目録」ではなく、「台北堂書店」なのかもしれない。
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 『日本古書目録大年表』2巻には、「地域別古書店名一覧」も載っていて便利である。台湾には1軒、野田書房だけで台北堂書店の記載はなかった。そこで、植民地の古本屋のことならまずは沖田信悦『植民地時代の古本屋たち』(寿郎社、平成19年12月)。台北市川端町の古書店として台北堂があがっていた。一方で、昭和18年台北古書籍組合の評議員小野山三郎の屋号は確認できないとしている。しかし、その後研究が進展したようで、沖田編『地域別古書店年表ーー昭和戦前戦後期の古本屋ダイレクトリー』1巻(金沢文圃閣平成27年5月)には、昭和18年7月末現在における台北古書籍商組合の評議員として台北堂書店の小野山の名前が記されている。
 日本国内の地方の古書目録は割合見つかるが、満洲や外地の古書目録は中々見ない。できるだけ集めてみたいものである。