神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

マルクス主義が輝いていた時代の三月書房と日曜会のPR紙『読書の栞』(昭和27年)

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4月のツイン21古本フェアは中止となり、次は今月の予定だが無事開催されるだろうか。『読書の栞』1号(日曜会、昭和27年)は何年か前のツイン21で拾ったと思う。高山文庫出品で300円。飯澤文夫「出版社・書店等PR誌一覧」『神保町が好きだ!』12号(ネット上に補訂版あり)に記載はない。
日曜会は、旭屋書店など大阪の5店、三月書房など京都の3店と神戸の海文堂の計9店からなる新刊書店のグループ。三月書房は昭和25年3月開店なので、開店して3年も経っていない時期である。二つ折りのリーフレットで、豊田四郎「どの訳本がいいかーーさいきんのマルクス経済学邦訳書からーー」が掲載されている。マルクス資本論』については、向坂逸郎訳の岩波文庫版と長谷部文雄訳の青木文庫版では「だんぜん長谷部訳をすすめる」としている。豊田は、慶應大学助教授。慶應マル経の学者がいた時代。ていうか、今もいるのか。裏表紙には大月書店の『スターリン全集』の予約募集の広告。マルクス主義が光り輝いていた時代であった。
日曜会のメンバーは、三月書房が先月閉店(通販はしばらく継続中)して、今は京大生協書籍部だけが残っているようだ。これを買った高山文庫も店舗は閉店して、ネット販売のみとなってしまった……
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