グーグルブックスの威力は凄いもので、オタどんが自力では到達できなかったであろう文献を示してくれた。クレス出版から復刻版が出ている文部省編『宗教要覧』(光風出版、昭和27年7月)である。ここに昭和26年4月2日現在の教宗系教団の現勢が出ていて、その中の「一粒会」に及川の名が見える。
一粒会
1 東京都千代田区西神田2丁目2番地 東方学会ビル
2 小平権一 及川鼎寿
3 主管者小平氏は元農林次官、及川氏は実業家で元株式株式会社クリスチャン=フード(25年解散)の社長であり、日本基督教団霊南坂教会の信者であつたが、既成教会に不満を感じ、特に農村自給教会を建立することを主目的として、25年12月新教団を設立した由。これは平信徒のみの教団で。[ママ]三鷹市下連雀町および武蔵野市吉祥寺(略)及川方に教会がある。なおこのほかに、宗教法人と同番地に財団法人一粒会(理事長小平権一)を設けて事業を行う。
宗教法人の事業計画は、(1)50村に1つの農村教会を建設し、各3町歩の農場を附属す。(2)霊安殿建設。(3)児童館建設、とあるが、現状については不明。
そのほか、鼎寿が明治学院の学生とする文献もあるようだ。明治学院ルートを調べれば、生没年がわかるかもしれない。
(参考)「女優及川道子の父にしてキリスト教社会主義者の及川鼎寿とシーラ倶楽部 - 神保町系オタオタ日記」