神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

大阪古書会館で古本が古本を呼んで鳥居篤治郎編『永遠への黎明』を

東京の趣味展へ行くのは止めて、大阪古書会館へ。そうしたら数日前に話題にした鳥居篤治郎編集の本を発見。発行者は京都市の中原脩司、昭和11年6月発行、印刷者は金沢の高橋覚吉。246頁、非売品*1。本書は大正7年3月に鳥居の長男として生まれ、昭和10年3月亡くなった昭の追憶集である。「生立ち」によると、当時バハイホームと称していた東京市牛込区矢来町の鳥居の家で生まれた昭は、ホームに出入りしたオーガー夫妻、ロシヤの盲人の詩人エロシェンコら多くのバハイ諸友に愛されたという。
本書には、アグネス・アレキサンダー「不死の薔薇園」やモダンガール望月百合子*2「昭さんに光を!」なども収録されている。驚いたのは、「昭和十七年三月廿日福田先生に頂く 高木忠夫」と書き込みがあったことである。調べて見ると、高木は京都府立盲学校の生徒で、福田與『草の花:歌集』(初音書房、昭和37年7月)の昭和18年の部には「高木忠夫」と題した歌も載っていた。「古本が古本を呼ぶ」とよく言われるが、ブログに福田や鳥居について書いた数日後にこんな本を見つけるとは出来すぎだ。

*1:『貝の風鈴:鳥居篤治郎先生追憶集』(京都府盲人協会結成二十五周年記念委員会、昭和51年9月)によると、700部関係者に配付

*2:元祖モダンガール望月百合子とアレキサンダー女史」参照