神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

善行堂で「蒐集家は語る」特集の『科学知識』を

先日善行堂で買った『科学知識』19巻3号(科学知識普及会、昭和14年3月)は、「蒐集家は語る」の小特集があったので購入。均一台で見かけても手に取りそうもないタイトルの雑誌だが、今後は少なくとも表紙の特集名をチェックする必要がある。例えば、「日本の古本屋」に20巻4号、昭和15年の「現代の印刷文化」 特集があがっていて、これも面白そうだ。さて、「蒐集家は語る」特集の内容は、

蒐集趣味の話 山形秋渓
旅の蒐集品 倉本彦五郎
熊手守と記念煙草 小山彰
札所蒐集の醍醐味 伊藤喜久男
蛙蒐集談 小澤一蛙
小絵馬の蒐集 北條時宗
珍談お守札 長谷川清
こけしの話 稻垣武雄
三三ツ九雑記 平岩富士蔵
蒐集家の心理 大槻憲二

大槻憲二以外は知らない人ばかり。巻末の「新寄稿家紹介」によると、小山彰は東京医学専門学校教授、伊藤喜久男は旅の趣味会主宰、北條時宗は本名治宗、東京市立本所図書館長、長谷川清は東京貯蓄銀行目黒支店長。へえー、図書館長が出てきたよ。
大槻が蒐集家と蒐集物をあげている。

松田義雄(狸)
和田千吉(灯器)
桑木厳翼(梟の玩具)
富家禮恩(時計)
杉山壽榮男(アイヌのヒゲベラ)
西澤笛畝(人形)
有坂與太郎(郷土玩具)
花柳章太郎(櫛、髪挿)
市島春城(極小玩具)
加藤健兒(古銭)
片岡千惠藏(靴)
水谷八重子(野球ボール)
山村耕花(古壺)
安東鼎(水滴)

まあ、色んなコレクターがいるものである。
なお、表紙の装丁は恩地孝四郎