神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

黒岩比佐子さんの遺稿「歴史と人間を描く」が西日本新聞で連載開始(その2)

第3回は「時間」。黒岩さんは、歴史を書くためには、少なくとも半世紀から百年くらい離れた時間が必要と考えて、およそ百年前の日本とそこに生きた人物を描こうと心に決めた。これが、テーマを明治時代に決めた理由だった。しかし、

明治のことなどほとんど知らない状態で、「テーマは明治」と思い込んでしまったのだから呆れる。七年前、村井弦斎という人物の評伝を岩波書店から上梓したとき、編集者に「あなたは無謀な人だ」と言われたほどだ。

学生時代はテニスばかりで勉強していないと謙遜していた黒岩さんだが、あれほどの評伝を書けるのは、やはり慶應義塾大学文学部で身に付けた素養の賜物ではないのだろうか。