神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

クラブシュメール(スメラクラブ)が軽井沢でサイクリング

「スメラ」ネタをあちこちで見かけるよき時代になってきました。昨年展覧会のあった坂倉準三展の図録を書籍にした『建築家 坂倉準三 モダニズムを生きる 人間、都市、空間』の60頁には、「日本工芸文化連盟、スメラクラブ」との見出しの記事が載っている。

一方スメラクラブは、坂倉の事務所がおかれた赤坂桧町の建物に同居していた、学者、文化人、芸術家の私的サロン。東京や軽井沢で自由な暮らしを楽しむ、パリ時代の友人を中心とする良家の子弟の集まりだったが、中には京都学派の小島威彦や歴史哲学者仲小路彰のように国家主義に傾倒して、「戦争文化研究所」「日本世界文化復興会」「スメラ学塾」などの団体を作り、軍部と密接な関係を持った友人もいた。

軽井沢で撮った写真も載っていて、キャプションには「坂倉夫妻ほかスメラクラブの友人たち/軽井沢の西村家*1別荘で/1940頃」とある。女性3人、男性4人、性別不明者が2人(?)写っていて、半数が自転車に乗っている。坂倉や小島は既に結婚しているので、男女のグループ交際的要素は少なかったと思うが、軽井沢でサイクリングとはスメラ学塾とは大きな違いである。写真の所蔵先は坂倉家ということなので、まだまだクラブ・シュメールやスメラ学塾に関する資料が埋もれているかもしれない。

建築家 坂倉準三 モダニズムを生きる|人間、都市、空間

建築家 坂倉準三 モダニズムを生きる|人間、都市、空間

*1:坂倉の妻ユリの父は、文化学院西村伊作