神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

黒岩比佐子さんと猫猫先生

黒岩比佐子さんと猫猫先生*1の共通点と言うと、サントリー学藝賞受賞者であることぐらいだろうか。互いに面識はなかったと思われるが、このブログで2度ばかり交錯したことがある。一度目は、昨年2月(2009年2月24日参照)。『婦人公論』3月7日号の「BOOK 私の書いた本」欄に載った『明治のお嬢さま』(角川選書)に関するインタビュー記事についての黒岩さんのコメントから始まる。そこへ、猫猫先生が乱入(?)。しかし、黒岩さんは軽くかわしている。

Hisako 2009/02/24 10:31
 私のはどうでもいいですが、その2ページ後に『里見とん伝』の書評が載っていますよ。

神保町のオタ 2009/02/24 17:16
 いやいや、どちらも見なければいけないですね。
 「おにゃのこ」に混じって「変なおじさん」が立ち読みしているところをスケッチされたりして。*2

jun-jun1965 2009/02/26 01:17
 情報ありがとうございます。見てきました。黒岩さん、小里文子について書いてください。

Hisako 2009/02/26 13:14
 小里文子……? ネット上にいろいろ書かれている女性のようですが、私はまだ明治から大正末までがやっとなので、彼女はぜひそちらにお願いいたしたく存じます(笑)。

jun-jun1965 2009/02/26 13:54
 あ、さようで(冷汗)。

二度目は昨年10月(2009年10月4日参照)。東京古書会館地下で行われた「椀伏せ」の話から始まる。が、またもや猫猫先生が登場・・・。2ちゃんには、「黒岩比佐子さん逃げてーーーー 」(2009/10/06 02:43:58)と書かれた(笑)。

Hisako 2009/10/05 19:22
 椀伏せ、面白かったですよ。オタさんもいらっしゃればよかったのに……。
 それはそうと、田内千秋の件! 高知県出身者でしたか……。それを偶然見つけるなんて信じられません。数学科を教えていたというのも面白いですね。独歩も図画と数学が得意だったということですが。

jun-jun1965 2009/10/06 01:26
 黒岩さんには村上春樹独歩曾孫説について意見を伺いたいです。

神保町のオタ 2009/10/06 17:33
 黒岩さんに言われると、行けばよかったという気になってきました。
 さて、田内の件は、おっしゃるとおり偶然の発見。セレンディピティというところでしょうか。黒岩さん関係の発見では、過去最大級の発見と思っているのですが、神業の如き梅子の謎解きみたいにわずかに残された痕跡を丹念に辿ったものではないので、自慢にならないのが残念。なお、事典の省略した部分にも詳細な記載があるので、地元には何か資料が残っているのかと思っております。高知は、涙香や秋水の故郷でもあるので、黒岩さんにはいつかトチゲキしてもらいたいものです。

Hisako 2009/10/06 20:05
 「村上春樹独歩曾孫説」……! 意見も何も、その様な説があることを初めて知りました。高知県にはそのうち行きたいですね。黒岩涙香の曾孫だと詐称して(笑)。

『恋愛の昭和史』には、「そして実は、『小猫』はいま読んでもなかなか面白い」とあるので、猫猫先生は、黒岩さんが研究した村井弦斎の家庭小説である『小猫』は読んでいるようだ。いや、黒岩さんは目にすることはなかったと思われるが、実は猫猫先生の新刊で話題作の『現代文学論争』には次のようにある。

そして結局鈴木(貞美)はまだそれを果しえていないし、その後の成果としては黒岩比佐子の『「食道楽」の人 村井弦斎』(岩波書店、二〇〇四)があるくらいで、真の大衆文学の研究は遅々として進んでいない。

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『ちくま』12月号「編集室から」によると、表紙を飾ってきた、林哲夫画伯の絵は今月号が最後で、新年号からは小沢昭一氏の写真を予定しているとのこと。林画伯には、2年間楽しませていただき、ありがとうございました。

*1:小谷野敦氏(id:jun-jun1965)の愛称。

*2:内澤旬子繪・文『おやじがき 絶滅危惧種中年男性図鑑』(にんげん出版、2008年12月)が評判だった頃だ。