山内啓二述、松浦玉圃記『紅療法講演録』(松浦玉圃、明治41年8月)の著者山内啓二は、本名山内不二門というようで、伝記も出ている。
山内玄人編『伝記山内不二門』(1980年7月)の「不二門略年譜」によると、
山内は、久保田米斎の日記にも出てくる。
大正11年12月7日 それより竹芝館に遠州の伊藤氏を訪問 これ亦不在、明日を約してかへる
12月8日 午后三時過出てゝ伊藤氏を訪ふ 夕刻氏に伴はれて初大坂へゆき晩食を共にす 山内不二門とかいへる変な人とともなり 宮城県の人にて一種の発明狂ともいふへき人にて今は紅療法をなしゐるとそ 伊藤氏の弟、白木屋の児島氏方寸堂の池田氏なとも来れり
『紅療法講演録』は新宿伊勢丹の古本市で買ったと思う。掘り起こしたのではなく、ガラスケース内に陳列してあったから、相当の値段だったのではないかと思うが、内容はたいしたことなかったと記憶する。ネットでは、55,500円の値段が付いている。
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タイトルに引かれて、榊花月『待ち合わせは古書店で』(キャラ文庫、2010年4月)を拾う。サンリオSF文庫に関する薀蓄が出てくる。古書店茶林堂主人七尾涼介の台詞。
「たしかにサンリオの文庫はどこでも値段が高騰してるけど、ディックの諸作品とかシルヴァーバーグだとかの有名どころの一部の作品は、そうでもないんだ。マイクル・コニイでも、『冬の子供たち』なんかは一万出してもってSFファンはいるけど、『ハローサマー、グッドバイ』はおととし河出文庫から新装版が出て、それほどの稀覯本てわけじゃなくなった。まあ、それでもサンリオ版が欲しいってのもあるだろうけど、だいたいSFじたい今、人気ないジャンルだしね」
この本はよい子は読んじゃだめだよ。
- 作者: 榊花月,木下けい子
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今週の黒岩比佐子さんの書評は、ジョン・D・バロウ『美しい科学』(青土社)。
- 作者: ジョン・D・バロウ,桃井緑美子
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