神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

弟精二の再婚披露宴に出席する谷崎潤一郎

猫猫先生が言及していたが、青野季吉の日記に谷崎精二の再婚披露の会が出てくる。

昭和16年11月3日 ○午後、谷崎精二君の結婚披露のお茶の会に赴く。大隈邸(会館)の庭を散歩、式場にて来賓を代表して一寸挨拶す。

    11月4日 ○文展を観に行く。会場にて廣津和郎君と偶然に会ふ。昨日、谷崎のお茶の会でも会つたのだ。

原田實「谷崎精二君追慕」『英文学』39号、昭和47年10月によると、

彼は不幸にして最初の夫人に先立たれた。一家、遺児の方々も彼も一時苦労されたことと推察される。後に今の夫人を恵まれた。世話する友人があって好配を見つけられたわけであったが、その折も彼は私にたいした説明もなく媒酌人になれと言うのだった。この折も私は言われるままに媒酌人の座に坐った。質素でつつましい式でありまた披露宴であったが、広津君も参列し、遠い関西から潤一郎さんも見えたことを覚えている。

兄弟仲がよくなかったと言われる谷崎潤一郎・精二だが、さすがに弟の再婚となると出席しないわけにはいかなかったようだ。なお、原田は、精二と早稲田大学英文科の同級で同大学教授。

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夏休みになって、「館界の重爆撃機」の誰ぞは岡山あたりへ出撃していたか。←関西だったらしい。

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浦西和彦編著『石川近代文学事典』(和泉書院)。中山忠直の項中、『ポーズとリカルテ』(誤)→『ボースとリカルテ』(正)、『日本人の偉さの研究』の発行者は「嵐山荘」(誤)→「先進社」(正)

石川近代文学事典 (和泉事典シリーズ)

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